日々働いている中で、「企業コンプライアンスとはどんなものなのか」「違反しないためにはなにが大切なのか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。企業が成長するには、コンプライアンスの徹底が必須といえます。
今回は中小企業や零細企業の経営に携わっている方に向けて、企業コンプライアンスの意味やその重要性を解説していきますので、お困りの方はぜひ参考にしてください。
企業のコンプライアンスとはなにか?
コンプライアンスとは企業を運営するうえで守るべきルールで、「法令遵守」とも呼ばれています。独占禁止法や不正競争防止法などがコンプライアンスに関する法律の代表例で、これらに違反してしまうと社会的な信用がなくなってしまいます。お客様に迷惑をかけてしまうだけでなく、裁判や警察沙汰になる可能性さえあるのです。
コンプライアンスに反すると、取引相手やお客様の信頼を失ってしまうことになってしまいます。経営を続けていくうえで、ルールの遵守は必須といえます。
コンプライアンス違反例6つと各対策
ここではコンプライアンス違反になるものを6種類紹介します。企業の信頼を損ねないように、以下のポイントを押さえておきましょう。
不正会計
不正会計とは事実とかけ離れた会計情報を周知することであり、経費の水増しや粉飾決算が代表例になります。赤字をなるべく隠すために売上高の水増しなどをする企業も多く、社会問題にもなっています。
赤字を防ぐ対策として、不要な支出を減らし、売上の向上を図ることが重要です。どのような状況でも、会計の内容に虚偽の内容を盛り込んではいけません。
商品情報の偽装
商品情報の偽装によってトラブルになる企業もあります。たとえば食品の産地や薬品の効能などについて、事実と違うことを載せてお客様に提供することです。このようなトラブルを防ぐために、社内で怪しい動きがないかを注意深く観察しつつ、社員には不正防止の教育などを行いましょう。
しかし、不正はいつ起こるかわかりません。不正が明らかになったらすぐに公表し、謝罪や商品回収などの対応を進めましょう。
不正受給
補助金や助成金などの不正受給もたびたび問題になります。資金繰りが苦しいからといって、国や自治体に虚偽の情報で申請するような行為は控えなければなりません。
補助金や助成金には受け取れる企業に条件があります。悪質な企業は実際対象外にもかかわらず、条件が合うように申請情報に虚偽の内容を盛り込むのです。このような形で受給すると、場合によっては詐欺罪に問われます。
また一部の経営コンサルタントが、「高額な助成金を受けられる」として、不正受給を促すケースにも注意が必要です。こうした手口に引っかからないためにも、補助金や助成金の受給でわからないことがあれば労働局や弁護士に相談してみてください。専門家からのアドバイスをもとに、自社が対象である支援制度だけを利用しましょう。
労働問題
労働問題を起こすと、お客様はもちろん仕事を探す人にも選ばれなくなる可能性があります。社員にとって労働環境は非常に大事なポイントになり、長時間労働が原因で精神を病んでしまうケースも少なくありません。
社員の定着を図るためにも、労働環境の改善が必要です。定時退社の推進に取り組み、仕事を効率よく進めるためのツールの導入も検討してみましょう。
情報漏えい
情報漏えいもコンプライアンス違反になります。外部に機密情報が知られたり、第三者から不正アクセスを受けたりするとプライバシーの侵害につながるからです。またインターネットに限らず、紙媒体による情報漏えいも問題になっています。
セキュリティーの欠陥が原因で情報が漏れるケースが多いので、ウイルス対策のソフトを導入したり、データ通信の暗号化をしたりするなど、セキュリティーの強化に努めましょう。自社で厳格な情報管理体制を整えることが、漏えい対策のカギになります。
ずさんな衛生管理
ずさんな衛生管理も問題になります。たとえば飲食店の場合、食べ物の管理が不十分では食中毒事件が起こってしまいます。また、出入口や内部が汚れているとお客様の信頼も得られなくなってしまうでしょう。
お客様に迷惑をかけないためにも、開店前や閉店後の掃除を徹底し、衛生管理に努めましょう。また、安全な温度での保管、消費・賞味期限の遵守なども大切です。もちろん食品を扱わない業種でも清潔な環境を維持することは必要なので、オフィスの掃除や倉庫の整理などを定期的に行うようにしましょう。
まとめ
今回は、企業コンプライアンスの重要性やコンプライアンス違反になる具体例について解説しました。違反するとお客様や取引先とトラブルになり、利益の減少につながってしまいます。不正会計や補助金・助成金の不正受給、商品情報の偽装など、コンプライアンス違反のパターンもさまざまなので、トラブルを未然に防ぐためにも一度信頼できる弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
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