事業再生は、破産の危機に瀕した企業を救う方法です。
事業再生にはいくつか種類があるので、どの再生法を選べばよいか悩むこともあるでしょう。そのようなときは、弁護士の判断を仰いで再生法を選ぶのがおすすめです。弁護士の力を借り、最適な方法で事業再生を目指しましょう。
弁護士に事業再生を依頼するメリットは?
企業が破産危機に瀕したときの救済策として、事業再生があります。事業再生が必要かどうかは、「売り上げの急激な減少」「資金繰りが難しくなった」「倒産を回避したい」などを参考にしてください。
事業再生を行えば、倒産をまぬがれるでしょう。ただし倒産の危機に瀕している時期は、どうしても冷静な判断は難しいもの。そのような場合に弁護士が在籍していれば、客観的に判断してもらえます。
また、再生かどうかの判断だけでなく、ほかの手続きも依頼できるのが弁護士のメリットといえます。
現状分析をしてもらえる
倒産が迫っているかどうかの現状分析は、素人には難しいものです。資金面はもちろんですが、本当に再生可能かどうかの判断は、弁護士にしてもらうのがおすすめです。
とくに、「民事再生」「会社更生」「特定調停」などの法的整理が必要か、または裁判所関与がない私的整理のどちらがよいかを分析してもらえるのは大きなメリットといえます。
整理方法を判断
裁判所が関与する法的整理では、すべての債権者に公正な立場で行ってくれるのは大きな利点です。たとえ再生案に反対の人がいても、法的整理なら多数決で債務の圧縮も可能です。
一方、私的整理は裁判所が関与しないため、経営破綻のイメージがつかないというメリットがあります。事業再生を行うなら弁護士に相談し、どちらの整理方法が合っているのか、判断してもらいましょう。
戦略の見直しをしてもらえる
倒産の危機に陥る原因には、戦略方法が甘かった可能性も考えられます。弁護士が在籍していれば、倒産の原因となる戦略の見直しも行えます。事業再生の実績がある弁護士であれば、事業や経営の戦略をはっきりさせてくれるでしょう。
弁護士からのアドバイスを参考にすれば、経営戦略も立ち、倒産も回避しやすくなります。
事業再生には種類がある?
事業再生には、上記で紹介した私的整理や法的整理以外にも方法があります。事業再生は企業改革のプラス面もありますが、一方で債務の弁済対策などのマイナス面もあります。以下に、事業再生の種類をみていきましょう。
自社のみで再生
事業再生には、裁判所が一切関与せず、自社のみで再生する方法もあります。経営不振に陥った原因など話し合い、改善案を検討する方法です。原因は人材や商品内容、資金面など多数あるでしょう。
もしも自社のみで事業計画が立て直しできれば、借金の返済を遅らせる「リスケジュール」の利用もできます。
裁判所が介入しない私的整理
私的整理は、債権者と直接交渉して借金を減らす手続きです。裁判所は関与せず、ガイドラインや支援団体、中小企業再生支援スキームなどに沿って手続きが始まります。ただし、私的整理は、企業と債権者の両者にメリットがなければ成り立ちません。
ほかの再生方法で、債権者への返済が大きい場合は、私的整理が向いているでしょう。
裁判所が介入する法的整理
裁判所が介入する法的整理では、事業再生した事実が周囲に知られてしまうという欠点があります。裁判所は公正な判断を下すため、反対意見や疑問を持たれにくいところがメリットです。
法的整理には「民事再生」と「会社更生」の2つがあり、対象者によって違いがある点に注意してください。
買収や合併による再生
企業自体には不要な事業であっても、他社は必要としているかもしれません。その場合、企業が買収や合併によって再生する可能性が考えられるでしょう。
合併や買収による事業再生には、「事業譲渡」や「株式売却」「会社分割」などがあります。
事業再生の流れは?
事業再生には一定の手続きが必要で、再建する意味や目的を確認して進めていく必要があります。以下から、事業再生の流れを確認してください。
原因や現状などを確認
事業再生のきっかけとなった原因や現状を確認することは、重要です。原因や現状がわからなければ、再生計画案を作れません。まずは財政状況や問題となった事業内容、資産や負債など、再生に至った現状を確認しましょう。
再生方法を選択する
原因や現状がわかれば、次に再生方法を選択します。なかには事業再生よりも倒産の方がよい場合もあります。再生方法の選択で悩んだときには、弁護士にアドバイスをもらうのがおすすめです。経験と実績から最適な方法を教えてもらいましょう。
事業再生計画書を作成
再生方法が決まれば、事業再生計画書を作成します。財政面を中心に、改善計画を3年分用意しましょう。債権者との交渉に使われるため、詳細な計画書が必要です。
計画書を作り終えたら、再生に必要な資金を調達します。資金の確保が難しいときは、ほかの再生方法も検討しましょう。
事業を再生して完了
私的整理と法的整理では手続きに違いがあるので、事前に確認しておきましょう。計画書通りに手続きが踏めれば、事業再生は完了です。再生完了後は、通常運営が可能になります。手続きに不安があれば、弁護士の助言を求めましょう。
企業再生とはどこが違う?
事業再生と似た言葉に「企業再生」があります。会社の事業を改善することで再生を促す事業再生と、借金に苦しむ企業を資金面で立て直す企業再生は本来違う意味です。しかし、厳密には分かれておらず、同義で使われることも多々あります。
一般的に事業再生といえば、企業再生で重視される資金繰りも含まれるため、両者に大きな違いはありません。
まとめ
今回は、事業再生を弁護士にお願いするメリットや事業再生の方法、企業再生との違いなどを紹介しました。事業再生は破産の危機に陥った企業を救う方法です。ただし法律に詳しい弁護士がいなければ、どの再生方法を選んだらよいか迷うこともあるでしょう。事業再生に悩んだときには、弁護士の助言を受けるのがおすすめです。
事業再生に詳しい弁護士をお探しなら、ぜひ一度「ソエル法律事務所」にご相談ください。法的な事由でお困りの企業に向けて、最適なアドバイスを行います。